ブログがきっかけでWeb業界へ転職した話

企業の口コミサイトは当てにならない?評判や星の数を購入して上げている可能性あり。

企業の口コミサイトは当てにならないかもしれない。評判や星の数を購入して上げている可能性あり。

ショッピングサイトにアプリストア、他にもグルメストア等々、ネットを見ていると至るところでレビューや評判を見かけますよね。買い物やサービスを利用する際の基準となり非常に便利です。

特に評価を『星の数』で表示してくれるのはビジュアル的にも分かりやすいので、商品一覧画面で星の数が多いと見かけると「とりあえず見てみよう」と感じます。一方で星の数が低いと「ああ、ダメなんだな」と思って商品の詳細すら見ずに避けてしまいます。つまり星の数が多ければ選択肢に入りますし、少なければ選択肢にすら入らないわけです。

選ぶ側にとってレビューの星の数=品質の良さや信頼・安心を示す基準になります。しかし戦略として「評判を買う」企業が存在するのも事実です。ショッピングサイトやアプリストアでもレビューを購入して、自社商品の評価を星4つ以上にしている企業があります。

そして以前私が勤めていた会社も評判を購入していました。ただ自社商品のレビューを購入していたのではなく、就職・転職向けの企業口コミサイトで評判を上げていました

就職・転職者向けの企業口コミサイトってなんだ?

あらゆる商品や店舗のレビューが多数存在するインターネットですが、「社員から見た企業のレビュー」を掲載している以下のようなWebサイトもあります。

これから就職や転職する人にとって、「この企業は働きやすいのかどうか」という情報は気になるものです。そんな人のために、企業で働く人の実際の声を知ることができるサイトが企業口コミサイトになります。

企業口コミサイトも運営しているのは人材紹介会社で、レビューと一緒に求人情報も掲載されている企業もあります。そのため「もしかしたら企業がお金を出せばレビューを操作できるのでは…?」という疑いを抱いてしまいますが、かなり緻密に書かれたレビューもあり「この会社で思いっきり働いていたんだろうなあ」と感じる記述も存在します。

そんなわけで「全部を鵜呑みにしてはいけない」と承知の上で利用すれば、就職や転職活動時に有益な情報を入手できる可能性がある…それが企業口コミサイトなわけです。

勤務先が企業口コミサイトの評判・レビューを操作していた

ショック1

クラウドソーシングで企業口コミサイトの評判を買っていた

過去に「入社して半年で転職しました。理由が明確なら入社半年でも転職で成功できます!」という記事にも書いたのですが、以前私が勤めていた会社は募集していた条件と入社後の業務内容にかなり差がある、簡単に言ってしまえば嘘つきな会社でした。また企業のWebサイトは敢えて分かりづらく表現してあったり、誇張な記述もある等、今思えばWebサイトだけ見ても怪しい会社でした。(※なお入社前には気づかなかった模様。)

募集条件と入社後の業務内容が違っていたので「こんな糞会社さっさと辞めて転職してやる」と毎日のように思っていたのですが、ある日その思いを更に強くするものを見つけてしまいました。

その日仕事が終わって帰ろうと思っていたところに上司から「この書類をシュレッダーにかけてから帰って」と言われました。残業代も出ないので渋々と書類の山をシュレッダーにかけていたところ、ホッチキス留めされた書類があることに気が付きました。なんとなくその書類の内容を見てみると、なんととあるクラウドソーシングで「企業口コミサイトの評判を上げてくれ」と依頼していたのです。

「あー、こういうこともやっていたのか…」

ドン引きしながらページをめくって行くと、『カイシャの評判』、『Vorkers』でレビューを書く方法が記載されていました

Amazonや楽天にレビューを吊り上げている商品があるということは知っていましたが、自分が勤めている会社で似たことをやっているのを知ったときは結構ショックでした。ましてやその会社はWebマーケティングも行っていたので、コツコツとブログを書いて集客をしてきた私から見たらあまりにも不誠実な方法としか感じず残念でなりませんでした。働いたこともない人に『それっぽいこと』を書かせて評価を上げることも貴様らのWebマーケティングの手法なのかと…。

星2つ→星4つへ

書類の中には元々の星の数も記載されていました。

評価を購入する前はなんと星2つ。こりゃひどい。

そして購入後は星4つになっていました。レビューの内容を見ると「挑戦する社風」だの「Webマーケティングの最前線に立てる」だの、聞いて呆れることしか書いてありません。風通しの悪いピラミッド型の組織でしたし、自分でまともにWebサイトを運営したことのない上辺だけの知識しかない人の集まりのくせにWebマーケティングの最先端だなんて笑止千万!

嘘とは言い切れない『それっぽいこと』を書かせている

そしてたちが悪いと感じたのが『それっぽいこと』を書かせていることです。その会社で働いてた私自身も書かれたレビューを見て「嘘とは言い切れない…」と思いました。

例えば、何だか怪しい商材を見つけては販売しようと試みていたことはある意味で「挑戦する社風」と言えなくもないですし、「Webマーケティングの最前線」というのも私がそこに立っていると感じていないだけで他の誰かは最前線を独走している気持ちでいるかもしれません。

優良誤認を与えていそうで、微妙にそうとは言い切れない…そんなもどかしさを感じる『それっぽい』レビューを書かせていたことが非常にせこくてたちが悪いと感じました。

星の数が少ないと読んでもらえない

正当な評価ではなく、意図的に数字を操作したインチキレビューを自社で作り上げているわけですが、その目的は言わずもがな「評判をよく見せて有利な状況を作ろう」ということですね。

下記はアプリの話になりますが、星の数が多いのと少ないのとでは成果に結びつく確率が雲泥の差となるようです。

「レビューの平均評価」は、ユーザーにどのくらいの影響を与えるのか。レビュー平均値ごとの「ユーザーがアプリのダウンロードを考える割合」は以下の通り。

評価★(星1)だと約12%、評価★★(星2)だと約15%、評価★★★(星3)だと約50%、評価★★★★(星4)だと約96%、評価★★★★★(星5)だと約100%。

つまり、評価が「★1」のアプリを見つけた場合、90%くらいの人はダウンロードの候補から外してしまう。(食べログで「★1」のお店を候補から外すのと、同じようなことだと思われる)

引用:アプリ評価が★2→★4に改善されると、ダウンロード率が5.4倍に。アプリのレビューが与える影響と、レビュー改善2つの成功事例。

アプリをダウンロードする際に、わざわざ評価が悪いものを選ぼうと思いませんよね。選ぶならやっぱり評判のいいものを手に入れたいものです。

転職口コミサイトでも同じことが言えるはずです。わざわざ評判の悪いブラックな会社で働くよりも、評判の良いホワイトな会社で働きたいですよね。星2つの会社なんて見た瞬間に「あ、ダメっぽい」と感じますし、星4つなら「へえ、悪くはないんだね」と思ってしまいます。

要するに会社の評判をインチキで高くして人材を確保しようとしていたわけですね。うーん、やっぱりせこいなー!

お金を払えば評価が上げられる?

有料プラン加入で上位表示&評価アップ

今回は企業口コミサイトでの事案ですが、残念なことに「評価をお金で購入する」ということは意外とありふれている出来事となっています。お金を払えば高評価が手に入る時代なのです。

別ジャンルの話になりますが、例えば大手グルメ口コミサイトは検索上位表示や高評価を獲得するために店舗側が有料プランに申し込む必要があります。マーケティングに投資が必要なのは当然だと思いますが、お金を払えば口コミや評価まで上げられる仕組みになっています。

クラウドソーシングで行われる『レビューの購入』

他にもショッピングサイトやアプリストアの評価を買っている企業もあります。こういった案件はクラウドソーシングで発注されているのを見かけます。

評価の購入

上記は「ショッピングサイトに商品レビューを書いてくれ」という案件になりますが、商品を提供してお金も支払ってくれるなんて随分気前の良い話ですね…。それだけレビューが消費者の行動に影響しているということでしょう。

今回の企業口コミサイトのレビュー操作についても、クラウドソーシングを通じて評価を書いてくれる人を募っていました。安い金額で評価を買おうとする企業も問題ですが、引き受ける側も如何なものかと…。

レビューを見るときは『不満』に注目

こうなってくると「何の情報を信じれば良いのやら…」と悩んでしまいますが、レビューを見る上でのポイントは『不満』に注目することだと思っています。

レビューを読むにあたって、星4つのレビューほど当てにならないものはありません。星4つのレビューにこそ「購入されたレビュー」がたくさん存在します。

一方で星1つや2つのレビューは結構当てになるものが多いと思います。レビューを買う上でわざわざ平均点数が下がる酷評を書いてもらう企業や店舗もまずないでしょう。また星1つや2つのレビューには実際に体験したからこその不満や憤り等、書き手の想いが溢れています。不満は想像で簡単に書ける文章ではありません。

星1つや2つでもたまに当てにならないレビューもありますが、『それっぽいこと』ではなくただの幼稚な悪口になっていることがほとんどですので無視しておけばいいだけです。

レビューを見る際は全部を鵜呑みにせずに、星1つや2つの酷評に目を向けてみることをおすすめします。その上で「でもやっぱりいいなぁ」と思ったら、そこで初めて選択肢に入れるのです。

評価を買う前に、まずは自社のやり方を見直してくれ

自分が勤めていた会社が口コミサイトのレビューを操作して、求職者に印象良く見せようとしていました。

「誰かに印象よく見られたい」というのは個人でも法人でも抱いて当然な感情かなと思います。人がファッションにこだわったり化粧をして評価されようと努力するのと同じように、店舗や企業も「高評価を得たい」とか「よく見られるところに表示させたい」と考えることもあるでしょう。

今回の件で私が問題だと感じていることは…、
中身が伴っていないくせに上辺だけ良く見せようという、その腐った考え方が気に入らなかったわけです。

他の人に何も影響を及ぼさないなら放っておけばいいのですが、これで泣きを見るのは求職者や消費者です。限られた予算や時間の中から良いものを探そうと必死になっているところを騙されてしまったら精神的に傷つきます。「勝手にやっていろ」では済ませられません。

しかも『それっぽいこと』を書いて嘘だと言い切れないようなことを書いているのがたちが悪いのなんの。明らかな嘘なら見破ることもできそうですが、『それっぽいこと』だと読んでそのまま信じてしまいかねません。そして実際に選択したら「思っていたのと違う」とか「こんなはずでは…」なんて結果になるのが目に見えます。

こんなものは「マーケティング」ではなくただのインチキです。レビューの操作は選ぶ人の判断を鈍らせたり誤らせてしまう非常に悪徳な行為です。

評価を上げたいのなら、まずは自社のやり方を見直すところから始めては如何でしょうか。